Tsunami Lures

 
 比類なきユーモアが際立つ釣業界の異端ブランド、それがTsunami Luresです。木を主な素材とするハンドメイドルアーがあくまでそのベース。1998年当時バンドマンだった元木が、木片をカッターで削るところからTsunami Luresはスタートしました。以来、当時創成期だったインディーズ・トップウォーターと呼ばれるシーンをリードするブランドのひとつとなり、現在に至ります。



Topwater Bass Fishing


 トップウォーターとはつまり水面のこと。その水面付近に限定してプラグ(ハードルアーの総称。辞書には「細長いミノーと違って、短くて太めの魚やカエルなどの擬似餌」なんていう記述もあり)を操り魚を釣ると言う行為を指して、トップウォーターフィッシングとか、サーフェイスゲームとか、トップウォータープラッギングなんて言いますが、短縮してトップウォーターというのがこの界隈では一般的です。





 これが実に面白い。ことに操るプラグに魚が水面を割って乱舞する瞬間は病みつきになります。また、疑似餌とは言うものの餌とは似ても似つかないものもあり、そんなプラグで魚を釣ると言う行為は実用性を逸脱するルアーフィッシングの象徴とも言え、それによってよりその根源的な魅力に迫ることが出来ると言えるでしょう。





 それだけに、プラグには並々ならぬこだわりを持ちます。そしてもちろんそれはリールやロッドなんかのタックルにも及び、やがては必然的に周辺のウェアやその他のツールにも波及するのです。反対に普段のスタイルをそのまんま釣りに反映させることが出来るのもこの遊びの魅力で、トップウォーターという遊びがスタイルに敏感な人たちに好まれるのはそのせいかもしれません。
 

 

Concept


 Tsunami Luresは Love Fishing, Music & Peace をコンセプトに、そんな感性鋭どい人に向けたスタイルを提案しています。それはルアーだけにとどまらない、トップウォーターにまつわるライフスタイルのあれこれ、もしくはライフスタイルとしてのトップウォーターです。
 



 ここにあるのは、そんなライフスタイルとストーリーを感じさせるものばかり。それらのプロダクツが、フィールドのみならず日常に至るまで、あなた自身のライフスタイルに溶け込むことが出来るなら、Tsunami Luresは幸せです。

 
 

本来の自然?

 
 Tsunami Luresが主に対象魚とするのは、世間一般では迫害の対象、しかし我々が愛してやまないブラックバスです。
 
 ブラックバスが大正14年(1925年)に日本に初めて持ち込まれて九十有余年、この魚に関して一般に流布されている情報には、我々が誤りだと思うものもあれば、偏りも大いにあります。たかだか発足して二十数年のブランドですが、それにしても人生を賭してこれにあたっていますから、心外だと思うことも多々あります。長きに渡ってブラックバスという魚に携わっている多くの方、あるいはTsunami Luresと同じくこれにまつわる仕事を生業とされている多くの方も同じ思いでしょう。


 

 外来種が全て悪かというと、そうではないと異論を唱える学者もいます。その機運はここにきてようやく盛り上がりつつあります。あなたの周りにあるいわゆる自然には、考えている以上に多くの外来種が存在するからです。それらを全て排除することは事実上困難ですし、意味もありません。生物多様性の重要性を唱える人でさえ、それに関しては意を同じくするはずです。また、その従来の生物多様性の概念でさえ、覆されようとしています。


 

例えば、池の水を抜く例のTV番組で見つかるコイも外来種だと聞くと、驚く人も多いでしょう。いわゆる「里山の自然」は人が作ったもので、もともとそこにあったものでは決してありません。





 いったい本来の自然とは何なのか?在来種とは何なのか?その偏って混乱した一般の認識を改め、考え直す時期に来ているとは言えないでしょうか。
 
 



 地球環境にダメージを与えているのは、外来種ではなく人だという認識の上に立ち、人が万能であるという奢りは捨てて、現実と未来を鑑みて謙虚に考えていかなければならない課題がそこにあります。
 
 Tsunami Luresはその部分としっかり真摯に向き合いたいと考えています。
 
 
 
 

Music for every fisherman

 
 Tsunami LuresのほとんどのアパレルにはMusic for every fishermanのネームが付いています。Music for every fishermanはTsunami Luresのアパレルを手がけるブランドです。Tsunami Luresのアパレルやグラフィックのほぼ全ては実質元木によるものなので、Music for every fishermanはそんな想定のもとに立ち上げた仮想のブランド内ブランドなのです。もちろん将来的にはTsunami Luresから独立したウェアやツールもプロダクツとして加えるという目論見もあります。


 

 Music for every fishermanは「それぞれの釣り人にある音楽」あるいは「釣り人のための音楽」という意味。音楽とは環境、そして釣り人はフィールドに出かける人の象徴だと考えています。そうすると自ずと見えてくるのは自然と人との関わり合い。まるで音楽のように時にはエモーショナルに、そして時には優しく人を癒す存在としての自然に寄り添いつつ生きる、Music for every fishermanを通してそんな提案が出来たらと思っています。
 
 

 

元木正実 (もとき・まさみ)

 
1963年4月生まれ。徳島県出身。
 
オルタナティブかつユニークな釣り業界の異端ブランド「Tsunami Lures」代表。1998年以来、トップウォーターの文学性を良いことに、「Love Fishing,Music & Peace」を旗印にかかげ、好き放題突き進んで来れた奇跡の道程は、果たしてこれから何処へ行くのやら。

2003年から2018年に渡り17度のメキシコ遠征を敢行。西表島へは1997年より毎年のように通う。オーストラリア、パプアニューギニア、フィリピン、インドネシア、ハワイなどへの遠征経験もあり。

晩年の中島らものバンドMother’s Boysのギタリストでリーダー。